日本学術振興会外国人研究者招へいプログラムで2022年12月1日から半年間、山形大学工学部で研究に取組んだ、ウクライナ国立学士院半導体物理研究所(キーウ)のオレグ・ディミトリエフさんが今日米沢を、日本を発って次の滞在地、スウェーデンのLinkoping(リンシェーピング)大学に向かいます。
2018-2022の学術振興会二国間交流プログラムによる共同研究成果を受けて、2022年の6月1日からの半年間上記プログラムで受け入れ準備を進めていたところに、ロシアによる軍事侵攻が始まり、受け入れの目途が全く立たない状況に陥りました。関係者が一丸となり、オレグさんがウクライナを出国し、来日出来る様に調整、支援してこの受け入れが実現しました。
滞在中は安全な環境の中研究に熱心に取組み、計画されていた研究課題に対して大きな成果を得ることが出来ました。また、研究室の学生ともとても仲良くなり、一緒に食事したり、旅行に行ったり、山形大学の学生にとってもウクライナでの出来事を身近に感じることが出来たと思います。窮地に立たされるウクライナの研究者を救済するつもりで懸命に取組んだ今回の招へいでしたが、結果的には私たちが多くを学び、助けられている様にさえ感じます。元々仲が良かったですが、今回の彼の滞在を通じてより一層親しみを込めて「友人」と呼べる存在になった様にも思います。
オレグさん、ありがとうございました。そしてスウェーデンでの活躍を祈ります。そして、皆でこの戦争が一刻も早く終わり、オレグさんがウクライナに戻れることを祈っています。深刻な被害を受けたウクライナの復興には、長い年月と非常な努力が必要になると思います。私たちはオレグさん、そしてウクライナのことを決して忘れません。どうかお元気で。
離日を目前にして、新聞、テレビから多くの取材がありました。山形放送YBCで昨日放送されたニュース映像は以下のウェブで視聴できます。
https://www.ybc.co.jp/news/?news_id=news119ga10du8aaqo437vz
2023年5月28日(日曜日)山形新聞朝刊25面に記事が掲載されました(転載許諾済み)
米沢、愛宕山の展望台にて(一番右がオレグさん、その隣りは4-5月の1か月山形大学に研修に来たポーランド国立学士院物理化学研究所博士課程学生のヨアンナ・セレイさん。春の終り、まだ桜の咲く頃です。
2023年5月31日12時半ごろ、工学部10号館玄関にて集合写真
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