産業技術総合研究所 津田勇希先生

産総研関西センター、電池技術研究部門で炭酸ガス電解還元(再資源化)触媒の研究開発を進める津田勇希先生にYUCaNにご加入頂きました。


津田勇希 (Yuki TSUDA)

2022年4月 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 電池技術研究部門 研究員

2022年3月 山形大学大学院 理工学研究科 博士後期課程 修了

2020年1月~2020年3月 日本学術振興会 若手研究者海外挑戦プログラム Visiting Researcher (The University of Vermont, USA)

2019年4月~2022年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC1)

2017年3月 山形大学 工学部 卒業


『二酸化炭素電解還元触媒の開発』

地球温暖化を防ぎ、カーボンニュートラル社会の実現に向けて二酸化炭素(CO2)の排出削減が世界的に進んでいる。一方、CO2を効率的に有用な資源へと転化する技術の開発が望まれているが未達成である。特に量的なインパクトとコストを考えると直接エネルギーに変換することができる炭化水素や現行の化学工業で相当量利用されている物質への変換が求められる。しかし、現行技術の還元剤である水素は主にナフサ等を改質分解した際に生じた副生成物であり、CO2から炭化水素への変換設備は石油プラント等と隣接して設置する必要があることから設置場所は極めて制約される。また、生産時にCO2を排出しないグリーン水素の大量生産は現行技術では難しい。一方、電気化学的なCO2還元による資源への変換反応は、CO2、電気、水さえあればよく、設置の自由度は非常に高い。究極なところ、地方の山奥の普段利用されていない土地に変換所を設置することが可能となり、地域の活性化にも繋がる。さらに近年、大型な電力貯蔵システムが確立されていないことから再生可能エネルギーでせっかく発電した電力が余ってしまい棄ててしまっている。この再生可能エネルギーの余剰電力をCO2電解の電力源として利用すれば、再生可能エネルギーの更なる利用拡大にも繋がり、相乗的なCO2排出削減が実現できる。このような観点から、CO2を効率的に有用な資源へと電解還元する触媒の開発が望まれているが、高活性且つ高選択的な還元生成を可能とする触媒は未だ開発されていない。そこで、金属やそのナノ粒子、無機/有機ハイブリッド材料を用いて上述した性能を有する二酸化炭素電解還元触媒の開発に取り組んでいる。


津田勇希 先生

山形大学カーボンニュートラル研究センター

山形大学カーボンニュートラル研究センター設立に向けた準備会のウェブページです

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