再生エネを現代の免罪符にしてはならない! 義家亮先生

脱炭素社会への潮流の劇的加速の中で再生可能エネルギーの需要が増しています.日本国内では数年前に発送電分離が実施され,各家庭ではスマートメーターが普及し,電力消費者は発電事業者と直接に電力購入の契約をできるようになっているので,電力消費者は電源の種別を「選ぶ」ことが可能になっています.すなわち,電力消費者は,自らの意思で再生可能エネルギーによる電力のみを購入することができます.再生可能エネルギーの黎明期においては,少々高額でも環境に配慮した再生可能エネルギー由来電力を購入する人が多ければ,その普及を加速させる手段となりえました.しかし,その段階はもう過ぎつつあります.現在,国内において大規模水力を含め再生可能エネルギーは全電源の20%弱を担っています.その一方で,送電網は既存の大電力会社の送電線に依存しており,実際の電力供給において,従来の大型火力発電由来の電力と再生可能エネルギーの電力の間には特に差はありません.つまり,既存の電力インフラに依存しながら,2割の再生可能エネルギー(を使っていると宣言できる権利)を取り合う構図が生まれつつあるのです.仮に大企業がこの2割の再生可能エネルギーを買い占めてしまう状態をご想像ください.少し多くの電力費用を多く支払う者だけが,環境配慮型企業のステータスを手に入れます.再生可能エネルギー買占めに参加できなかった企業は,二酸化炭素排出の罪悪感を押し付けられるだけでなく,実際に炭素税・環境税等による経済的制約を受ける可能性があります.これは中世ヨーロッパで実施された免罪符の発行を思い出させる構図です.極論を言えば,再生可能エネルギーを使う権利の取り合いは,新たなる格差社会出現のトリガーになりかねません.これを回避するためにはどうすればよいでしょうか.まず,自ら努力しない企業が再生可能エネルギーを買い占めることを制限する仕組みを早く作る必要があります.一方で大企業こそ再生可能エネルギーの電源の新規開発に貢献すべきです.カーボンゼロエミッションを謳うならば,その電源の創出段階から参加することが望ましいということです.そんなことを強く感じていた折,下記の新聞記事を見つけました.世界に名だたる巨大IT企業が手本を示すのは喜ばしいことであり,国内企業もこれにどんどん続いてほしいと思いました.

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC060T20W1A500C2000000/

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